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「令和4年度版 狭小住宅最前線」

2022-11-17

「令和4年度版 狭小住宅最前線」

東京都内で建てられる注文住宅のうち、15坪以下の土地に建てる「狭小住宅」が脚光を浴びています。
東京の戸建住宅に住みたいと思ったら・・戸建てを建てる際に知っておきたい土地の取得や建築費、
建物の間取りなど、最近のデータから読み解きながら狭小住宅最新事情をご紹介します。

◇データから「住宅建設の今」を読み取ろう
■どのくらいの広さの住宅を建てているの?
都道府県別に、住宅一戸あたりの延べ床面積で比較してみます。


令和3年の国土交通省の調査によると、一住宅当たり延べ床面積は、富山県が145.17㎡、福井県が138.43㎡、山形県135.18㎡。
広い土地の確保が可能な地方都市では、広い住宅が建てられることが多いようです。

一方、住宅が密集している場所では、住宅の延べ床面積も小さくなる傾向があります。神奈川県78.24㎡、大阪府76.98㎡、沖縄県75.77㎡ですが、東京都では最も狭く、65.9㎡となっています。

 

■住宅はどのくらい建築されているの?

国土交通省によると、令和3年度に全国で建てられた住宅の総戸数は86万5909戸で、前年比6.6%増となり、3年ぶりに増加しました。そのうち、16%ほどは東京都での建築であり、13万1614戸が着工されました。このうち持ち家(注文住宅)は1万6771戸で、東京都によると、前年比との比較で7.5%増加し、こちらも3年ぶりに増加しました。また、実際に東京で建築された注文住宅のうち、約半数の6500戸が15-18坪の狭小住宅として建築されています。東京都における狭小住宅建築の割合は、年々あがっているそうで、区によって違いはあるものの、戸建て建築全体の5-6割ほどを占めています。狭小住宅建築が増えた背景のひとつには、住宅ローン審査の規定が緩和されたことがあります。以前は敷地面積が100㎡以上あることが住宅ローン融資の要件とされていましたが、各方面からの要望により、敷地面積40㎡以上に定めたメガバンクをはじめ、敷地の要件を撤廃したために、狭小住宅が建てやすくなりました。施主様の想いを反映しやすい注文住宅(狭小住宅)が注目され、選ばれる傾向にあるのです。

■住宅の建設費は上昇しているの?

 平成25年(2013年)の消費者物価指数を1.00とすると、この年の建設工事費は106.9でした。
総合的な物価から見ると、建設工事費は6.9%高めだということになります。

現時点での新しいデータ(国土交通省)によると、令和2年(2020年)の消費者物価指数は、105ですので、平成25年と比較すると、物価は5%上がったということになります。それに対して、建築工事費は、118.0でしたので、平成25年と比較すると、11.1%上昇していることになります。
例えば、平成25年に2000万円だった建築費が、令和2年には2220万円に上昇したということになります。

■建築のタイミングは?
 さらに、令和4年にはさまざまな物価の値上がりがあった上に、世界情勢によりウッドショックやアイアンショックなどもあり、建築費はさらに上昇していっています。物価の上昇に、いまだ終わりは見えておらず、令和5年以降も物価や建設工事費は上がっていくことが予想されます。もしも、気に入った土地があり、すでに建築プランが進んでいるとしたら・・現在の物価上昇が落ち着きを待つ必要はないでしょう。今後、ますます物価が上昇することも視野に入れて、このタイミングで建築を進めていく方が得策かもしれません。

 

◇狭小地住宅に興味があれば・・気にしておきたいアレコレ
■小さい方がお得?狭小住宅特有の事情
 建設費だけでみると、建築規模が小さい狭小住宅の方が費用を抑えられます。しかし、狭小地特有の付帯工事が発生することもありますので、建築にかかる総工費が膨らんでしまう可能性もあります。
 これは、都心の住宅は、構造上の制約が多い中で建設する必要がある場合があり、狭い敷地の中で足場が組めなかったり、2階建てよりも3階建てが好まれたりと、さまざまな理由があるからです。狭小住宅で、小規模な建設だからといって、建築費を大きく抑えることができるわけではなさそうです。

■土地の特徴にあわせた工務店選び
 狭小住宅は、住宅が密集する場所、整形地ではなく歪な形をした土地や傾斜のある土地などに建築することが多いです。
その土地に合わせた設計プランが必要になります。したがって、このような土地は、建て売り住宅よりも注文住宅での建築が向いています。さらに、狭小地ならではの建築プランとして、間取りや工事の際の足場の設置など、狭小地に適した施工があります。
この分野が得意な工務店や建築会社が東京エリアには多数存在します。まずは、気の合う会社を探して相談してみる事もおすすめです。

■狭小住宅VS分譲マンションでは
 狭小住宅の延べ床面積は、およそ80㎡ですので、3LDKの分譲マンションの広さとほぼ同じです。
建物の独立性を重視した自由度の高い間取りを設定できる狭小住宅の方が注目されています。リモートワークや子どもの学習スペースが確保しやすいことも、戸建て住宅の人気が上がっている理由のひとつです。
 また、土地の資産価値も注目されています。戸建て住宅なら建物償却しても、土地の価値は存続しやすいため、土地も区分所有となる分譲マンションを所有するよりも、有利な資産形成ができるとされています。加えて、マンションの建築費用は高騰している兆しがあります。建築資材や人件費の高騰で、SRC造(鉄筋コンクリート造)の建築費用が特に上昇している傾向があります。

2011年(平成23年)からの10年間で、マンション建設費は緩やかな上昇傾向にあり、およそ1.35倍に。令和4年3月の国土交通省の不動産価格指数によると、平成23年を100とした場合の区分所有のマンションの不動産価格は178.1に。戸建て住宅だと112.0だといった具合に、マンション建設費は、不動産価格にも反映されていることが分かります。こういったことからも、区分所有のマンションよりも、戸建て住宅がより身近になっているということも、戸建て住宅の人気上昇に一役買っているのではないでしょうか。

■どんな家が人気?
 東京は、広い土地が少ないため、構造的な制約が多くなります。住宅が密集していることもあり、防火地域にも指定されていることも多いです。外観は、隣家や道路からの視線を防ぐため、窓を小さく、目隠しのための壁を上手く利用するするなど、プライバシーに配慮した外観が人気です。内観は、土地の大きさに左右されない、快適性を高めるための工夫をした建物が人気のようです。15坪の土地をいかに広く見せることができるのか、吹き抜けを利用したり、天井を高くしたりして、家の中が広く見えるように視覚的な工夫をしています。
狭小住宅に多く見られる間取りは2-3LDKで、1フロア当たりの平均的な大きさは、およそ9帖です。家族が暮らしやすいように、動線に配慮された設計が好まれています。また、収納スペースを増やす工夫も取り入れています。造作家具を利用して、広々と空間を使用する仕様が人気です。土地の大きさや立地条件に左右されない、快適性を高めるための工夫をすることが、建物のデザインを担当する建築会社の腕の見せ所でしょう。

 

◇どこで建てる=まとめ
狭小住宅の建築は、それぞれの土地に合わせた建築プランを策定することが大切です。東京エリアに密着した工務店なら、
狭小地に特化した家づくりができます。まだ土地がない方も、相談に乗ることができる工務店も多いですよ。利便性の良い都内に、
家を持つことも夢ではありません。「東京での戸建て住宅の建築は難しい」と諦めず、まずは気軽にご相談をしてみてはいかがでしょうか。
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<参考サイト>
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kencha224.pdf令和3年着工戸数
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/05/11/08.html 東京都
着工数(令和3年)

https://www.mlit.go.jp/statistics/details/jutaku_list.html  住宅事情
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001488481.pdf マンション

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